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【対談】兼松株式会社 × WORKING FOODIE   「食の商社」がつくる社内カフェ、Café THE PERCHの4年間

執筆者の写真: WF staff
WF staff
9月25日
読了時間: 11分

2022年11月、兼松株式会社の本社に「Café THE PERCH」(カフェ ザ パーチ、以下「PERCH」)が誕生しました。


社員食堂でもなく、ただのカフェでもない。

コーヒー1杯から会食、懇親会、社内イベントまでを受けとめる“コミュニケーションの場”として、PERCHは4年間運営されてきました。


今回は、開業4周年を迎えるにあたり、兼松株式会社で導入を主導された総務部総務課長 梶内尚史様と、運営パートナーとしてカフェを共に育ててきたWORKING FOODIE代表・町田智昭が、これまでの歩みを振り返りました。


導入のきっかけから、社内に生まれた変化、数々の成功と失敗、そしてこれから挑戦したいことまで。「社内カフェが企業にもたらす価値」が見えてくる対談です。


※本対談は2026年6月に実施されました。 



コーヒー豆やお肉、パスタなど、当社が取り扱う食材を活かしたい。その要望に応えてくれる会社を探していた


町田 まずは、PERCHを導入した背景から伺えますか。


梶内 以前のオフィスに社員食堂のようなものがあったのですが、数年で無くなってしまったんです。そこからずっと食堂がない状態が続いていました。今度、丸の内へ移転することになって、「もう一度作ろう」と。

丸の内はランチが高いこともあり、社員からの要望もありました。もう少し手軽にコミュニケーションが取れる場所を作りたかった。それがきっかけのひとつです。


町田 いろいろな会社を検討されたと伺っています。


梶内 ええ、おそらく多くの会社さんに足を運びました。でも、なかなか我々の「わがまま」を聞いてくれる会社が少なくて。


町田 その「わがまま」というのは、具体的にどんなことだったんでしょう。


梶内 コーヒー豆やお肉、パスタなど、当社が扱う食材を使った料理やお弁当を提供してほしい、というのが希望だったんです。でも、なかなかそういうところは無くて。その中で「それ、全然できますよ」と言ってくれたのがWORKING FOODIEさんでした。


町田 ありがとうございます。


梶内 うちは本当に問い合わせベースからのスタートでした。我々もゼロからで、当時のメンバーとウェブサイトを見ながら「ここ、かっこいいんじゃない?」なんて探していて(笑)。三井不動産ビルマネジメントさんからの紹介もいただいて、最後は社内コンペをしました。


他社さんは皆さんよくご存じの大手企業ばかりでしたが、社員のニーズとしては、やっぱりこちらの方が近いかなと。空間的にもイメージに合っていました。


社員食堂ではなくて、カフェの延長線上で料理やお弁当も提供できるような形が理想でした。


その要望に一番応えてくれたのが貴社でした。




「火が使えない」場所で、どう食を届けるか


町田 当時の課題として大きかったのは、どんな点でしたか。


梶内 オフィスの設備上、ガス火を使えないんです。お肉を焼いたり、揚げ物をしたりする設備がない中で、料理を作る必要がありました。


町田 コンベクションオーブンのメーカーのテストキッチンまで、一緒に見に行きましたね。


梶内 フジマックさんのテストキッチンを見学するため、浅草橋まで行きましたね。「こんな料理も作れるんだ」と驚きました。総務メンバーも同行し、どのようなオペレーションで、どのような機材を使うのか、試食しながら実際に確認しました。

カフェとしての空間は壊したくなかったですし、設計の相性も大切でした。何度も話し合いを重ねて決めました。

豪華な料理を出してほしいわけではなく、当社が取り扱う食材を使い、お客様との会食や、営業担当者がお客様をご案内できる──そういう場所であってほしかったんです。


梶内 今では実際に兼松が取り扱う肉やパスタなどを、メニューにうまく取り入れていただいています。

当時は、こうした食材を実際に活用できるかどうかが確認ポイントでした。さらに、コロナ禍でもあったため、「本当に社員が利用してくれるのか」という点についても、何度も話し合いしましたね。



気づけば、兼松の食材を活用する場へ


町田 営業部の皆さんにも、自然と活用いただけるようになりましたよね。


梶内 使っていない日はないくらいです。鶏肉もビーフも豚肉も、定期的に仕入れてもらっています。当初は総務が仲介して、営業担当者が「このビーフ、使ってもらえませんか」と相談していましたが、今では各部署が自ら食材の活用を相談するようになりました。


先週も、すごく唐揚げのいい匂いがして。何かと思ったら、営業がお客様への試食用に唐揚げを作っていたんです。「パンチのあるチキンを使いたいんです」とPERCHのスタッフに相談していました。


当社が取り扱う食材を実際に調理し、お客様に味わっていただける場になっているのは、とても良いことだと思います。


兼松が取り扱う食材を利用したお弁当
兼松が取り扱う食材を利用したお弁当



会長も、社長も、自らコーヒーを買いに来る


町田 社員の皆さんへの定着については、どう感じていますか。


梶内 まずはコーヒーですね。使用している豆も当社が取り扱うものを採用いただいてます。若手社員から役員まで、日常的に利用しています。会長や社長も、朝から一人でコーヒーを買いに来られますよ。

これは会社としてもありがたいことです。


以前は、会長や社長と若手社員が自然に接する機会は多くありませんでした。

それが今は、自らPERCHにコーヒーを買いに来られて、若手社員に気軽に話しかける。

そういう光景が自然にあるんです。


僕が打ち合わせをしていると、会長がふらっと来て「真面目な話してるの?」なんて声をかけてくれる(笑)。そういう光景が当たり前になったのもPERCHが社内にしっかり定着したからこそだと思います。


町田 社員同士の交流が生まれる場なんですね。


梶内 そうなんです。もうカフェというより、コミュニケーションの場ですね。

PERCHのスタッフの皆さんが本当にコミュニケーション上手で、社員もすごく喜んでいます。



「コミュニケーションランチ」と、社内イベントの拠点へ


梶内 最近は「コミュニケーションランチ」という制度も作りました。チーム内のランチは勿論、部署を超えたランチも対象で、費用の半分を会社が負担します。

これが非常に好評で。やっぱりこういう場所があると違いますね。


貸切利用も多いです。OB会、懇親会、社内イベント……。さまざまな用途で利用されています。年末の夜なんて、ほぼ毎日のように利用があり、イベントやパーティーがない日はないくらいです。


居酒屋だとコースが決まっていますが、ここでは相談しながら内容を調整できる。

「今日は若い人が多いからお肉を増やそう」「年配の方が多いからご飯ものを多めに」と、人数や参加者に合わせて柔軟に対応してくださる。そこが本当に助かっています。


ちなみに、これは町田さんが最初に思い描いていた世界観だったのでしょうか。


町田 世界観としてはありました。でも、ここまでとは思っていませんでした。ワイン会やOB会の話は聞いていましたが、想定以上にパーティー利用が多かった。

兼松の皆さまは、他の店舗と比べても、こうした集まりが多い印象がありますね(笑)。


梶内 ご迷惑をおかけしています(笑)。


町田 いえいえ、もっとかけてもらって大丈夫です(笑)。


梶内 実際、フォームから申し込むよりも、店頭でスタッフと相談しながらパーティーの企画をするケースがかなり増えているそうです。

広報企画のイベントや、グループ会社社長会、タイ駐在経験者の集まりや帰任会など、用途もさまざまです。

また、最近はコンプライアンスやハラスメントへの意識の高まりもあり、夜遅くまで飲むよりも早い時間に集まって8時、9時には解散するスタイルが増えています。


その点、PERCHは社内にあるため、参加しやすく、時間の調整もしやすい。

こうした環境もあって、社内イベントの機会は、以前よりずっと増えていると感じています。




4年続いた理由は、「数字を共有する関係」


町田 途中で他社へ切り替えるケースもある中で、4年間続けてくださっている理由は、何だとお考えですか。


梶内 毎月、定例会をやっているからだと思います。月に1回必ず打ち合わせをして、先月は懇親会がどれくらいあったか、お弁当はどれくらい出たか、という話をしています。

例えば「先月はコーヒーが100杯売れたけど、今月は50杯だった」という数字もちゃんと共有してくれる。そうすると「何が足りないのか」「価格なのか」「使いづらいのか」を一緒に考えられるんです。


町田 数字も全部、共有させていただいていますよね。


梶内 実はそこも、選んだ理由のひとつでした。「数字を見せてくれるんだ」と。うちは業務委託費もお支払いしていますから、社内に説明するときも、数字が見えている方がいい。

数字が分からないと、ある日突然「続けるのは難しいです」となってしまう。

お互い全部確認しながら進めているので、本当にありがたいです。


町田 嘘偽りのない関係ですね。


梶内 社内カフェは、そういう関係じゃないと続かないと思います。実は前のカフェも数年で無くなってしまって。あとから聞くと、社員がほとんど来なくなっていたらしいんです。

もし早く気づけていれば、スタッフを変えるとか、メニューを変えるとか、できたことがあったかもしれない。でも、その情報が共有されていなかった。

だから「また作るの?」「また誰も来なくなったら?」という気持ちは正直ありました。

今のように情報を共有できているのは、すごく助かっています。



運営チームの一員として、伴走する


梶内 今はもう、どっぷり入っています。総務の中井さん、田中さん、私の、3人でショップマネージャー研修まで受けました。運営を任せきりにするのではなく、同じ目線で考えられるように防火防災管理者、食品衛生責任者の資格も取得しました。

そこまでやらないと、カフェは運営できないと思っています。


社内カフェですから、社員のニーズが伝わらきちんと運営に伝わらないといけない。


何かあれば松本さんをはじめ、スタッフの皆さんがすぐ教えてくれます。「今日、社員からこんな意見がありました」と。台風の日なら「明日はお弁当を少なくしましょう」という判断も、自然に共有できる。

一緒に作っていかないと、続かないですよね。



成功も、失敗も。イベントを続ける理由


町田 4年間で、印象に残っている出来事はありますか。


梶内 やっぱり夜の懇親会や社内イベントですね。「これは絶対いける」と思って企画しても、全然集客できずに赤字になることもあって。担当者は頭を抱えています(笑)。


忘れられないのはクリスマスイベントです。1回目は盛り上がったのに、2回目は完全に読み違えて。僕はその日大阪にいて「今日は大丈夫だろう」と思っていたら、ものすごい勢いでチャットが来て「全然人が来ません、帰ってきてください」と(笑)。

スーツケースを持ったまま戻ったら、10人くらいで寂しそうなクリスマス会をやっていました。


町田 盛り上がったイベントもありますよね。


梶内 eスポーツ大会はすごく盛り上がりました。去年は“納会”が人気で、1日で全席が埋まったんです。元兼松社員で牡蠣の養殖をされている方を招いたイベントや、フラワーワークショップも良かったですね。参加者の皆さんが思い思いに作品作りを楽しんでいて、いい雰囲気でした。


町田 失敗するリスクもある中で、それでもイベントを続けたいのは、なぜでしょう。


梶内 結局、社内のコミュニケーションなんです。うちは部門ごとの繋がりはある一方で、横の繋がりはまだまだ足りないんです。イベントをやると、自然と横の繋がりが生まれる。役員との距離も近くなります。

eスポーツ大会では、会長も社員と一緒に参加されました。

役職に関係なくみんなで一緒に楽しめる。そんな光景が自然に生まれました。


横の繋がりをもっと増やしたい。


その思いで、チャレンジし続けています。




ロボットも、焼きたてメロンパンも。これからの「働く場」


町田 今後、挑戦してみたいことはありますか。


梶内 モバイルオーダーですね。最近、会議室まで来客用のドリンクを届けてもらう仕組みを始めました。現在整備を進めている下のフロアでも利用できるよう、今準備を進めています。


あとは……ロボットを走らせたい(笑)。3時や10時になると社内をロボットが回って「おやつの時間です」とコーヒーやお菓子を運んでくれる。

そういう遊び心のある空間にしたいですね。


町田 お菓子も充実させていきたい、と。


梶内 焼きたてメロンパンは本当に人気で。半年ほどやっていないので、社員から再開を期待する声が聞かれるようになっています(笑)。

月に一回でも、普段置いていないお菓子を出すと、それだけで社員同士の会話のきっかけになるんです。


もちろん失敗もあります。焼きたてクロワッサンは、意外と手に取る人が少なくて。今は電子レンジとトースターが静かに眠っています(笑)。「5分待ってでも食べたい」という人は、案外少ないんですよね。

一方でメロンパンやエッグタルトは人気。お団子なんかも面白いかもしれません。


10月にはまたイベントがありますし、下のフロアも来客スペースとして活用していく予定です。ロボットが活躍する日も、そのうち来るかもしれません(笑)。



おわりに


「社内カフェは、嘘偽りのない関係じゃないと続かない」── 梶内様のこの言葉が、PERCHの4年間を象徴しているように感じます。

火が使えない場所からスタートし、数字を共有し、成功も失敗も分かち合いながら、ひとつの“場”を育ててきた4年間。

PERCHはもう単なるカフェではなく、社員も、役員も、お客様も、OBの方々までをつなぐコミュニティの拠点になっています。


5年目に向けて、ロボットが走り、焼きたてのお菓子が並ぶ未来へ。

WORKING FOODIEは、これからも兼松株式会社様と一緒に、この場所を育て続けていきます。



4周年という節目に、こうして当時の背景から今の想いまでじっくりお話しいただいた梶内様、そして日頃からPERCHを温かく利用してくださっている兼松株式会社の皆様に、心より感謝申し上げます。

これからも、皆様と一緒に「人が集まる場所」を育てていけることを楽しみにしています。




Café THE PERCH/WORKING FOODIEについて、もっと知りたい方はこちらもご覧ください。





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