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自社商材が“会話になる”とき ~兼松株式会社様とつくった、白老和牛のお弁当が生んだ2つのコミュニケーション~

  • 執筆者の写真: WF staff
    WF staff
  • 5月17日
  • 読了時間: 6分

更新日:7月28日


オフィスにおけるコミュニケーションは、意図的につくろうとすると、どこか不自然になってしまうことがあります。

一方で、何気ないきっかけから生まれる会話は、驚くほど自然に、人と人の距離を近づけてくれます。

私たちWORKING FOODIEは、その“きっかけ”を、食から設計できないかと考えています。


兼松東京本社内のカフェ「Café THE PERCH」を運営する私たちが、今回取り組んだのも、まさにそのことでした。


【Café THE PERCHの空間】
【Café THE PERCHの空間】



■ 今回の商材 —ストーリーを持つ牛肉

【飼料を採食する敷島ファームの黒毛和牛】
【飼料を採食する敷島ファームの黒毛和牛】

今回ご一緒したのは、兼松株式会社様。


総合商社として多様な事業を展開する同社が取り扱う商材のひとつに、北海道・白老町の敷島ファームで育てられたブランド牛「白老(しらおい)和牛」があります。


この白老和牛には、おいしさだけでなく、特別な背景があります。

牛のゲップに含まれるメタンガスは温室効果ガスの一種であり、畜産業における環境課題として世界的に注目されています。


兼松様・敷島ファーム・dsm-firmenichの3社は、「ボベアー®」という飼料添加物を黒毛和牛に給与することでメタン排出を削減する、世界初の実証に取り組みました。

2025年11月から始まったこの実証で生産されたのが、今回使用した白老和牛です。


この取り組みは日本経済新聞にも取り上げられ、社会的にも注目を集めています。


おいしさはそのままに、環境への負荷を低減して育てられた——そんなストーリーを持つ食材でした。


詳しくは、兼松株式会社様のプレスリリースと新聞掲載記事をご覧ください。






今回の取り組みの背景には、以前から続いていたご縁もありました。


兼松株式会社 ビーフ課様からは、以前よりドリップ漏れなどにより販売が難しくなった和牛をご提供いただく機会がありました。

品質には問題がないにも関わらず、お客様には届けられなくなってしまう食材。

その価値を別の形で活かせないか——そんなやり取りを重ねる中で、少しずつ関係性が生まれていきました。



その後、お世話になっている方を通じて、兼松株式会社 GXビジネス推進課様、粗飼料課様をご紹介いただき、今回の取り組みへとつながっていきます。


また、粗飼料課様のパーティーでは、取引先様の和牛を使用し、


・ローストビーフ

・すき焼き

・ステーキ

・テキサスバーベキュー


などをご提供する機会もありました。


食材そのものの魅力はもちろん、“誰と、どんな場で食べるか”によって生まれる空気感の大切さを、改めて感じた時間でもありました。


【パーティー料理写真】
【パーティー料理写真】



■ コミュニケーション① —つくり手と、つくるプロセスの中で

今回の取り組みでは、この白老和牛をご提供いただき、

Café THE PERCHで提供するお弁当——ローストビーフ弁当——の企画・開発を行いました。


ここで大切にしたのは、「良い食材を使ったお弁当をつくること」だけではありません。


その商材が持つ価値や背景まで含めて、働く場の中で“体験としてどう届けるか”を、兼松様と一緒に考えていくプロセスそのものが、ひとつの重要なコミュニケーションでした。


どのような形で提供するのが良いのか。

どんなストーリーを添えるべきか。

食材の魅力を最大限に活かしながら、働く人たちにとって自然に受け取れる体験にするにはどうすればいいのか。


そのやり取りの中で、私たち自身も商材への理解を深めていきました。


一緒に考え、言葉を交わし、ひとつのものをつくり上げていく。

それ自体が、クライアントとの豊かなコミュニケーションだったと感じています。


また、今回は「会話が生まれること」も大切なテーマでした。

お弁当自体は、白老和牛のおいしさが伝わるよう、できるだけシンプルな見せ方に。


一方で、その背景や取り組みを知ってもらうため、POPやレジ横の案内では、白老和牛やメタンガス排出削減への取り組みについても紹介しました。

「美味しそう」で終わらせず、“なぜこのお弁当なのか”まで伝わるよう工夫しています。


今回、お弁当のメインをローストビーフにしたのも、素材そのものの魅力をしっかり感じてもらいたいという思いがあったからです。


良いお肉だからこそ、できるだけシンプルに、素材を活かした形で届けたい。一方で、社内カフェという日常のオペレーションの中で、安定して提供できる形であることも重要でした。


「素材を活かすこと」と「日常に自然に届けること」。

その両方を考えた結果、今回のローストビーフ弁当という形にたどり着きました。


【白老和牛のローストビーフ弁当POP】
【白老和牛のローストビーフ弁当POP】



■ コミュニケーション② —食べる人と、食べる場所で


そして迎えた、提供当日。カフェに並ぶお弁当を見て、足を止める人が少しずつ増えていきます。


「これ、あの白老和牛のお弁当だよね」

「メタンガス排出削減の取り組みをしているやつだよね」

「新聞に掲載されていたよね」


そんな会話が、あちこちで自然と生まれていました。


普段であれば、自社の商材についてここまで具体的な会話が交わされる機会は、決して多くはないかもしれません。

しかし、“食べる”という体験を通じて、その価値が自分ごととして立ち上がる。

その結果として、社員同士の間で話題が広がっていきました。


また、「今日ちょっと豪華だね」といった一言から、部署や役職を越えたコミュニケーションが生まれていたのも印象的でした。


同じものを食べる、というシンプルな体験が、人と人の距離をやわらかく縮めていく。

その光景が、オフィスのあちこちで見られました。


提供開始後は連日の完売となり、社内でも継続的に話題に。

もちろん、白老和牛そのものの魅力も大きな要因です。


ただそれだけでなく、「意味のある食体験」として受け取られたことも、一因だったのではないかと感じています。




■ 食が持つ、もうひとつの役割

企業が持つ商材は、通常“外に向けて価値を発信するもの”です。

しかしそれを、社内での体験として届け直すことで、事業への理解や愛着を育むきっかけにもなります。

そして同時に、人と人の間に、新たなコミュニケーションを生み出す。


私たちは今回の取り組みを通じて、「食」が持つ役割の広がりを、あらためて実感しました。


食は、ただ満たすためのものではなく、場の空気を動かし、関係性をひらくものでもある。


兼松株式会社様には、商材の背景から取り組みの意図まで丁寧にお話しいただき、このプロセス全体を一緒につくり上げていただきました。

改めて、感謝申し上げます。



WORKING FOODIEはこれからも、企業ごとの価値やストーリーを活かしながら、働く場を「食」から設計していきます。


自社の商材が、社内で会話になる。


その小さな変化の積み重ねが、組織のあり方を少しずつ変えていくと信じて。




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