【対談】三井情報株式会社×WORKING FOODIE 社内カフェは福利厚生で終わらない ~TSUDOI CAFEが生み出す、これからの働く場づくりとは~


2026年2月、3つに分かれていたオフィスを1つに統合した三井情報株式会社様。その新しいオフィスに導入されたのが、部署や役職を超えたコラボレーションを生み出すための「TSUDOI CAFE」です。
オープンから約半年。
今回は 三井情報株式会社 人事総務統括本部 本部長の亀山巌様と、運営パートナーであるWORKING FOODIE代表・町田智昭が、導入の背景から今後の展望まで、たっぷりと語り合いました。
※本対談は2026年7月に実施されました。(以下、敬称略)

3拠点をひとつにして物理的距離を近づけても、「壁」は残っていた
――まず、TSUDOI CAFEを導入しようとしたきっかけを教えてください。
亀山 もともと当社は都内に3つのオフィスを構えていて、それぞれが独立した仕事の単位で分かれていました。拠点単位では業務が効率的に進む一方で、組織の枠を超えたコミュニケーションや連携が生まれにくいという課題がありました。
これだけ世の中が急速に変わっていく中で、仕事の中身もスピーディーに変えていかなくてはいけない。どんどん新しいことを追い求めていかなければならないのに、今の仕事の単位を超えたコミュニケーションや共創が起きにくい。オフィスが分かれているという壁を取り払い、組織の枠を超えたコラボレーションを生むきっかけを作れないか――これが、今回の移転のそもそもの背景でした。
「コラボレーションを起こそう」と言うだけならすぐできます。でも重要なのは、それを実際に生み出す仕組みをどう設計するか。
移転を決めたあと、オフィスデザインに取り掛かったわけですが、このコラボレーションを生み出す舞台装置をつくることが一番大きなポイントでした。
昔、自社ビルに社員食堂がありましたが、価格や満足度の面で次第に利用が減り、営業を終了。代わりに無人コンビニが入って、ランチはお弁当屋さんに販売してもらう形になりました。
やっぱり、社員が集まってにぎやかに食事をする場が欲しい。でも今回のオフィスは本格的な厨房がない設計だったので、当初は「飲食を出すのは難しいだろう」という前提でした。

決め手は「できます」という姿勢
――数ある会社の中から、なぜWORKING FOODIEを選んでくださったのでしょうか。
亀山 選定の場に私自身はいなかったのですが、厨房で火が使えない環境でも温かいものを提供していただける柔軟性が、まず一番大きな決め手だったようです。
選定の前段階では、3年ほど前にWORKING FOODIEさんがカフェを運営している三井不動産ビルマネジメント株式会社様のオフィス見学にお邪魔したことがきっかけだったと聞いています。
そこでカフェも見せていただき、火を使えなくてもコンベクションオーブンで温かいメニューを幅広く提供している様子を見て、新社屋でのカフェイメージが膨らんでいったと聞きました。
もう一つ、これは私の実感とも一致しますが、 WORKING FOODIEさんの人柄や姿勢の部分で、短いやり取りの中でも「一緒に面白いことができそうだ」と自然に感じられたことです。 具体的な姿勢でいうと、「あれもできますか、これもできますか」と聞いた時に、大概「できますよ」と前向きに受け止めてくれるところですね。
「できるかな」、と守りに入られるのではなく、こちらの期待を超えるような姿勢を見せてもらい、そこから調整していく方が、こっちも楽しいです。
町田 「一旦できます」ってやつですね(笑)。
亀山 まさにそうです(笑)。WORKING FOODIEさんとお話しすると、本当にいつも前向きに検討してくれます。「これはできます!やります!」って。そこが印象的です。

「WORKING FOODIE」という名前に込めた想い
亀山 以前から気になっていたのですが、WORKING FOODIEという社名にはどんな想いが込められているのでしょう?
町田 恥ずかしいのですが(笑)、従来の社食は「お腹いっぱいになればいい」という感覚の場所が多かったと思います。でも「フーディー」は、食べることそのものが好き、という意味なのです。
働く方たちがもう少し、働く場でも食を意識できるような、食を通じて何かがつながっていくような場所にしていきたいと思っていました。
お腹を満たすだけじゃなく、食べ物に興味を持ってほしい、食べ物から生まれるコミュニケーションを大事にしてほしい――そういった想いから「ワーキングフーディー」という名前にしました。
亀山 まさにそこが、大切な結節点だったのだと思います。コラボレーションを起こすための仕組みとして、"食"を持ってくるのは実は非常に合理的なんですよね。
「飲みに行こうか」「ご飯に行こうか」と誘えば、2〜3時間一緒に過ごすのは普通に苦もなくできてしまう。
でも「2〜3時間仕事の話をしよう」と誘われたらどうでしょう?(笑)。
食事をしながらだと、実際は仕事の話ばかりでも楽しく過ぎちゃうような、食事を共にするエネルギーというか、場としての力みたいなものがあるような気がしています。
人と人とが同じ空間を共有して接することには、きっと力がある。村ができて、集落が生まれて、国になったように、人は小さく分散しているよりも、多くの人が集まって組織をつくるほうが強い。
そうしたつながりを生み出すきっかけとして、"食"を活用するという考え方は、非常に理にかなっていると感じています。
町田 僕らWORKING FOODIEは「TSUDOI CAFE」も含めて、店長だと思っています。オーナーが三井情報の皆様だとすると、オーナー目線だと、言うことを聞いてくれる店長のほうがいい。やりたいことを実現できる。
オーナーとしてはこういうことがやりたいんだけど、店長が断るからできない、というのは、形としてはやりづらい。
オーナーの皆様がやりたいことを実現する場であり、それによって社員の方が喜んでいただける場になることが、一番のベースだと思っています。

「できて良かった」――半年で一番多く受け取った言葉
――実際に導入してみて、コミュニケーションの変化は感じられましたか?
亀山 全然違いますね。このフロアには、これまでのオフィスにはなかった機能を持っていると思っていて、その中心にあるのがTSUDOI CAFEです。同じビル内のコラボレーションエリア(会議室エリア)と比較しても、雰囲気も会話量もまったく異なります。ここでだけビジネスとは直接関係のない会話が生じているのは、間違いなくTSUDOI CAFE の存在によるものだと感じています。
移転から半年ほど経過しましたが、人事総務統括本部として様々な施策に取り組むなかで、社員から最も多くポジティブなフィードバックをいただけるのがTSUDOI CAFEです。
「できて良かった」と言ってもらえる。
他の施策と比べても社員の反応を実感しやすい取り組みだと感じています。そうした声を聞くたびに、TSUDOI CAFEがこのオフィスを象徴する機能の一つになっていることを実感します。
WORKING FOODIE さんの「何でもできます」は本当で(笑)、新しいオフィスで開催した大規模なイベントを3つほど伴走して担ってもらいました。
お客様を招いての大規模パーティーの際、「お寿司屋さんを呼びたい」「ラグジュアリー感のあるカトラリーを準備してほしい」という細かな要望にも、柔軟に対応してもらえる。
社員の家族を招いたFamily Dayも同様に、我々の期待を超えてやっていただけてとても嬉しかったです。
町田 お寿司の話が出ましたが、あのとき握ってくださったのは、僕が昔から親しくさせてもらっている大将のお店鮨處 かざまなんです。オフィスの一角で、目の前で本格的なにぎりを握ってもらう——「こんなこともできるんだ」と喜んでいただけたのが、僕らとしても本当に嬉しくて。
任せてくださり、ありがとうございました。


現場で生まれた、小さくて大切なエピソード
――イベントを通して、食を通じた会話が生まれた場面はありましたか?
亀山 外食ではなく、オフィス内で実現できてしまうこと自体が、素晴らしいベネフィットだと思っています。部署単位の飲み会もカジュアルにセットできますし、夜だと参加が難しい社員がいるので昼にやろう、という柔軟な対応もできる。ケータリングを外部に依頼するよりも、TSUDOI CAFEに相談した方がスムーズに進められる点も大きな魅力だと思います。
印象に残っているのは、イベント開催時だけでなく、日常(夜のBar営業)で「キャロットラペ美味しいね」「生ハム美味しいね」という反応が見られること。以前、とても大きなフランクフルトが提供されたことがあり、みんな驚きながらも楽しんで食べていたことがありました(笑)。
もうひとつ印象的だったのが、子どもが多く参加したFamily Dayでの出来事です。当日はスパゲッティが食べてもらえず残っていました。
スタッフの方が「ピーマンが入っているからかな」と気づいて、次に活かそうとしてくれていた。
こういう何気ない一言に、私はすごく力強さや頼もしさを感じました。
Family Dayは来年以降も継続していくイベントです。そのため現場のスタッフの方がそういう視線で物事を見てくれているということは、とても重要なことだと思います。厨房の皆さんの雰囲気がいいということも実はとても大事なポイントで。自然に「また行きたい」と思える。
パートナーとして非常にありがたいことだと感謝しています。
町田 三井情報の皆様の「横のつながり」にも驚かされました。月に一度のイベントでは、事前の関係性がそこまでなかったはずの人たちが、人が人を呼んでどんどん集まってくる。
Family Dayでは170人ほどの参加があり、他の会社ではなかなか見たことがない光景でした。総務の方たちが積極的に声をかけてくださったり、メニューを最後まで買ってくださったり。
皆さんが「自分ごと」として考えてくださっているのが、本当にありがたいと感じています。

サードプレイスではなく、「2.5プレイス」を目指したい
――お二人にとって、これからの「良い働く場」とはどんな場所ですか。
亀山 今、自分がすべき仕事を前に進めることは、リモートでできてしまうんですよね。環境を含めて、僕たちはそのくらい能力が向上したと思っています。だからこそ、ただ仕事をするだけではないことが起こる職場が、これからの職場に求められるいい職場なのだと思っています。
そして、それを計画的にデザインして実現していくことが、これから私たちに求められる能力なのではないかと思っています。
先輩がこまめに声をかけてくれるとか、フィードバックを適切なタイミングでしてくれるとか、何らかのアクションが必要で、楽しい会話も放っておいたら生まれない。
何らかの偶然を超えた仕組みが必要だと思っています。
サードプレイスという言葉がありますよね?
一般的には自宅でも職場ではない第三の場所の意味ですが、私はそれを自分のネットワークを広げていく、知らない世界に触れる入り口のような場所と定義して、大切にしています。具体的には行きつけのお店です(笑)。それは、多分「食事」があるから成り立っています。
ネットワーキングを求めてだけだと行けないけれど、「食事をしに行くついで」に出会いがあるから通える。
――TSUDOI CAFEも、特別なイベントのためだけの場所ではなく、「食事」をきっかけに社員同士が自然につながり、新たな交流や発見が日常的に生まれる場所であってほしい。
「サードプレイス」より近い、働く場にほどよく重なり合う「2.5プレイス」みたいなものを目指していけるといいなと思っています。
町田 昔のオフィスには、自然な拡張空間として夜の居酒屋があったのだと思います。でも今はまた、それをアップデートしていかなくてはいけない。このオフィスにそういう空間があるからこそ、よりスマートに拡張性を手に入れられる。仕事の心地いい延長線上でそれを実現する、再現するというのが、これからのかっこいいオフィスなのかなという気もします。
前だったら、飲みに行かないとその拡張機能を手に入れられなかった時代よりは、賢くなってきていますよね。

おわりに
「TSUDOI CAFE、できて良かった」――半年間で一番多く社員から届いた、シンプルだけれど確かな声。数字や制度の話ではなく、日々の何気ない会話やスタッフの小さな気づきの積み重ねから生まれたこの言葉こそ、WORKING FOODIEが大切にしている「食を通じたコミュニケーション」の価値そのものだと感じます。
三井情報株式会社様には、この立ち上げの機会と信頼を寄せていただいたことに、改めて心より感謝申し上げます。また三井情報株式会社様とのご縁をいただき、導入前の視察や試食会を開かせていただいた三井不動産ビルマネジメント株式会社様にも、ここで御礼申し上げます。
三井情報株式会社様との取り組みは、まだ始まったばかりです。これからも、食を通じて自然なコミュニケーションが生まれる場づくりを、社員の皆さんにとっての「2.5プレイス」として、三井情報株式会社様と一緒に育てていきたいと思います。

TSUDOI CAFE/WORKING FOODIEについて、もっと知りたい方はこちらもご覧ください。
・WORKING FOODIE公式サイト:https://www.workingfoodie.jp/
・WORKING FOODIE公式note:https://note.com/workingfoodie



